2023よかったシリーズ:映画
全部で60本くらい観たなかで。
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
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バカお下品カッコイイ映像の洪水で綴る家族愛とアイデンティティ。普通にキワモノ映画のジャンルだと思うんですが、これがアカデミー賞総なめってのはいい意味でこのインダストリーが変化してることのしるしか。なんてったって、親切でなきゃいけないよ!
『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』
生きるのクソ下手女子二人の殺し屋系青春エンタメ。ファンタジーな部分とリアルな部分のさじ加減が素晴らしくて、貧困とか搾取とか花恋とかシビルウォーとか混ぜながら最後はちゃんとフィジカルで魅せるアクションでまとめてて最高。
『TAR/ター』
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やっかいな映画だと思います。主人公ターの行為を「どう評価するか」が観客に開かれていて、それが観客ひとりひとりの社会的価値感を浮き彫りにしてくる、という。あのラスト、何が起こったのかはちゃんと見せられるけど、それをどう解釈するのはあなた次第。こっわー
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』
最高の三部作を完璧に畳んだ大傑作。今回のトラックはロケットのプレイリストがメインになるんだけど、90~00年代の曲がもう僕にはハマりすぎました。"I'm done running"で鳴り響くBeastie Boysとかかっこよすぎて映画館で気が狂うかと思ったよ。
『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』
映像体験として圧倒的。3DCGのアニメーションに施すレンダリングによって「画風」を変えることができる、という発明を前作からさらに押し広げて、マルチバースという概念をこの上ない視覚的説得力で見せてくる。「ここで!終わるのか!ここで!」っていうラストも最高。
『バービー』
現代社会におけるいろんな、特にジェンダー絡みの「お約束」をイジリ倒す映画。「ケン」の描かれ方のバランスがとても好き。バカでポンコツで間違うけどギリギリかわいい、という。ライアン・ゴズリングの演技がほんとちょうどよかった。
『aftersun/アフターサン』
ソフィー役のフランキー・コリオは監督に「どうしてこんな悲しい映画を作ったの」と言ったそうですが、日焼けの後みたいにジリジリと悲しさが滲みてくる映画。「主人公が20年前のことを思い出す」という構造の映画を観て、内容を思い出していくと、あそこでカラムは、ソフィーは、どうして悲しい顔をしていたのかが分かっていくという、恐ろしく巧みでありながらエモーショナルに作り込まれた作品。
『テイラー・スウィフト: THE ERAS TOUR』
特別ファンというわけでもないのだけど、評判がいいので観に行ってみたら、圧倒的なカリスマとスタミナで三時間汗一つかかずにパフォーマンスを続けるテイラー・スウィフトを見せられて、「何かの化身か」「王朝開けるだろ」「一人マーベルズ」などなどが頭に浮かんでいました。一本観た後の満足感としては今年ベストかもしれない。
『愛にイナズマ』
どういう話なのかいまいち説明しづらい作品で、「シングルバースのエブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」とでも言えばいいだろうか。超豪華キャストなんですが、結果役者が全員すごく良いので、話題作りではなく必然的なキャスティングだったらしい。
『犬王』
2023年公開の作品ではないんですが、立川シネマシティで一瞬極音リバイバル上映をしてたので観ました(初見)。室町時代にはあるはずのない楽器の音がし始めたあたりから最高に面白くて、これつくづく極音上映で観て良かったなあと。
映画館色々行きましたが、音・画質・席配置・フード・客層すべてで立川シネマシティが最高だと思っています。来年もよろしく。