消えてゆく光
よし、それでは2019年を振り返ろうか
写真、撮った枚数がすごく多いわけじゃないけど、ものすごく考えた一年
自分の写真を見返して、何を撮っているのか確認しています
人工物の直線、ガラスに反射した曖昧な像
青と赤、つるつるとガサガサ
境界が少しずつ消えていく様
行き止まりとその奥
光の影
すごく探している。視線が彷徨っている
脳が滑らかに繋いでしまう像の、ある一フレームだけを記憶から引っ張り出そうとしている
そういう意味で、僕の被写体は自分の記憶なんだと思う
ちなみに、白内障になりました
11月ごろに突然右目の視力が落ちた
右目は曇ったオールドレンズ開放みたいな見え方になった
で、病院にいったら白内障だと。治らないから手術してね、と
改めて、いつか見えなくなるのだという事実を思い知りました
以下、東京都写真美術館『至近距離の宇宙』より、藤安淳と濱田祐史の作品。
この展示はとても良かったです。「大御所」の仕事よりもずっと深く、写真とは何かという問いかけがあった。
写真を始めたころは、わりと何でもかんでも「すげぇ!」って思ってたけど
最近明らかに「好み」が形成されてますね
わかりやすくキレイを集めたのじゃない写真が好きです
若手の写真家には、老齢家族の介護を通して作品モチーフを見出す人が多いです
「いずれ失われる光」という現実と直面することが、何らかの形で撮ることに意味を与えるのだろう
僕の写真は趣味に過ぎないですが、せっかくここまで来たのだから続けたいですね
手術して眼にレンズを入れることになります
不安も勿論ありますが、ちょっと楽しみでもある。どんなふうに見えるのか、と
夜に沈んでゆく。ではまた来年。