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bluelines

女子大教員。大学教育・言語・ねこ・写真とカメラなどについて。

【これが】決定版・カメラの選び方【正解】

カメラの選び方

職場で学生に聞いてみると、「写真に興味がある」という人はとても多いです。で、その話をしていると良く聞かれるのは、「カメラって何買ったらいいんですか?」です。

実際、カメラは種類が多すぎます。価格.comに登録されている製品数は、一眼カメラが342製品、それ以外のデジタルカメラで290製品*1。 合計600以上の選択肢から選べと言われても困りますよね。

というわけで、このエントリは、初心者向けにカメラの選び方を解説するものです。「カメラを選ぶ際に、決めるべきポイント」を挙げ、選ぶ時の迷いが消えるような、そんな解説を目指して書きます。では行きましょう。

決めるべきポイント1: レンズ固定式か、レンズ交換式か

最初のポイントは、「レンズが交換できる機種にするかどうか」です。

レンズ固定式のカメラは、価格.comでは「デジタルカメラ」というカテゴリに入っています。一番分かりやすいのはいわゆる「コンデジ」ですが、「ネオ一眼」と呼ばれる一連の機種もこのカテゴリに入ります。レンズ交換式として一番分かりやすいのは「一眼レフ」ですが、最近流行の「ミラーレス」もレンズ交換式です。

レンズ固定式のメリットは、何と言ってもコンパクトになることです。SONYRX100シリーズなどが顕著ですが、電源OFF時はレンズ部分がボディ内に収納されるため、全体として薄く収まっているんですね。レンズ交換式は、どんなにボディ自体をコンパクトに作っても、レンズをつけたらある程度出っ張ることになります。この厚みの違いは、携帯性には結構大きな影響を与えます。薄めのカバンにするりと入るかどうか、という違いが生まれるのです。

レンズ交換式のメリットは、柔軟性・拡張性です。この世には「全てに関して万能なレンズ」は存在しません。レンズ固定式は一般的に、最も無難なスペックのレンズを搭載しますが、被写体によっては尖った性能のレンズが欲しくなります。「こどもの運動会を撮ろうとしたら望遠が足りなかった」とか、「うちのねこを撮ろうとしたら明るさが足りなかった」、みたいなことはよく起こります。こういった状況に対して、カメラを買い替えるのではなく、レンズを増やすことで対応できるというのは大きなメリットです。

レンズ固定式の携帯性。レンズ交換式の柔軟性。どちらも非常に重要で、捨てがたいメリットですね。両方買うのがいいと思います。

 

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決めるべきポイント2: 一眼レフか、ミラーレスか

レンズ交換式カメラは、「一眼レフ」と「ミラーレス」の二種類があります。この二種類の決定的な違いは、「光学ファインダーがあるかどうか」です。

「一眼レフ」の「レフ」とは、「レフレックスミラー」のことです。一眼レフカメラには、レンズの奥にミラーが設置されています。シャッターを切るとこのミラーが跳ね上がり、その裏にあるセンサーにレンズからの光が届くようになっています。なんでこんな構造になっているかというと、ミラーを使ってレンズからの像をファインダーに導いているからなんですね。つまり、「一眼レフ」というのは、レンズからの光を視るファインダー、すなわち光学ファインダーを使うための構造ということになります(参考サイト)。

これに対して「ミラーレス」とは、「レフレックスミラーがない」という意味です。ミラーがないので光学ファインダーはありません*2。そもそもファインダーがついている機種とついていない機種がありますが、ついている場合は電子ビューファインダー(EVF)になります。要するに背面液晶のちっちゃいやつを覗いて視る、ということですね。

光学ファインダーのメリットは、遅延がないこと、そして「電気なしで視える」ことです。例えば運動会などでは、遠くの被写体をファインダーで捉えながらシャッターチャンスを待つ事が多いです。光学ファインダーでは、その際にカメラがスリープ状態でも問題なく被写体を追えます。また、普通にカメラを持ち歩いているときでも、とっさのシャッターチャンスにカメラを構え、カメラがスリープから復帰する間にフレーミングを始めることができます。これ、実はかなり大きいです。EVFだと、EVFの電源が入って視えるようになるまでのわずかなラグが「何も出来ない時間」になってしまいます。そして光学ファインダーは電池を消費しないため、一眼レフカメラはミラーレスに比べて電池寿命が長く、撮影可能枚数が多くなります。

ミラーレスのメリットは、まずはボディをコンパクトに作れることになります。一眼レフのミラーボックスは極めて複雑な部品の集合体で、それをそっくり取り除けば、中身はとてもすっきりと軽くなります。ボディ内でミラーが動く事によって発生する「ミラーショック」が無くなるため、ミラーショック軽減のためにボディをある程度以上の重さにする必要もなくなります。さらに、EVFにはEVFのメリットがあります。ファインダー内で画像を拡大表示したりできるので、マニュアルフォーカスが容易に、正確にできるようになります。

さらにさらに。ミラーレスは、「マウントアダプター」経由で、他の機種のレンズを使うことができるものが多いです(参考サイト)。これは例えば、実家に眠っているおじいちゃんのカメラのレンズを利用できる、ということなのです。日本人の実家には平均して2.7本のレンズが眠っていると(僕の勘に基いて)言われていますが、それらのレンズを有効活用しつつ、最新のデジタル用レンズも使えてしまうわけです。

さあ、どうでしょうか。「シャッターチャンスを逃さない」という目的を強力にサポートしてくれる光学ファインダー付きの一眼レフ。軽く小さく、実は拡張性も高いミラーレス。どちらもそれぞれ魅力的です。両方買いましょう。

 

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決めるべきポイント3: デジタルか、フィルムか

今やカメラというとデジタルカメラが当たり前となっていますが、でもこれは、「趣味として写真を始める人」には考えて欲しいポイントです。

デジタルカメラのメリットは、言うまでもなくその利便性です。電池が持つ限り、いくらでも撮れる。撮ったものをすぐ確認できる。何せ便利です。写真が上手くなりたいという人には、色々失敗してもコストがかからず、思う存分色々試せるデジタルカメラはもってこいです。

しかしフィルムカメラには、デジタルよりもずっと「ワクワク感」があります。ファインダーを覗く時。ピントを合わせてシャッターを切る時。フィルムを巻き上げる時。現像が出来るのを待つ間。色んな場面で、「これ、どうなるんだろう?」というワクワク感を味わえます。仕事ではなく趣味で写真を撮るのであれば、どれだけワクワクできるかは大事ですよね。お金を稼ぐためではなく、楽しむために撮るのですから。

さあ、利便性のデジタルと、ワクワクなフィルム。もう分かりますね。両方買えばいいんです。

つまり、これが正解です。

 

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本当の正解

いつの間にか防湿庫にF6が生えていたので、やけくそでこのエントリを書きました。つまり、カメラマニアの言う事を聞いていても埒が開かないのです。カメラ屋に行って、実機を触ってみましょう。あなたの手の中でいちばんしっくり来たやつが、あなたのカメラです。機種がどうこうよりも、「あなたのカメラである」ことはずっと重要なのです。

 

*1 2014年10月15日現在。

*2 レンジファインダー式のカメラは別ですが、初心者の選択肢には入らないでしょうから省きます。