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大学でアルファベットを教えて何が悪い

ある大学のシラバスに関する意見・反響 as of 2011/2/20 18:22 - Togetterまとめ

今、いろいろ頭に来ている。そこのお前だ。何を嗤う。

日本の小中高ってのはトコロテン式で、学んだことが身に付こうが身に付くまいが次の段階に押し出されるシステムだ。学習内容は積み上げ式だから、当然「落ちこぼれ」が発生する。ある段階で何らかの理由によりつまづいたら、よっぽど幸運にすばらしい教師に巡り合う場合を除いて、その後ずっと落ちこぼれ続ける。積み上がらない。

そしてこれまでの社会は、そうやってつまづいた人に学び直すチャンスもセーフティーネットも与えず、否応なしに「底辺職」に押しやってきた。景気が良くて単純肉体労働の雇用が安定して存在してた時代ならそれでも野垂れ死にはしなかった。

しかしこれからはそうはいかない。少子化。不景気。単純肉体労働は新興国にアウトソースされる。これからの日本は人的リソースを無駄遣いできる状況ではない。労働者に求められる能力がインフレし続ける状況で、小中高のどこかでつまづいた人材をそのまま捨ててしまっていては、安定した社会は到底維持できない。

だからいくつかの大学が、「ケツを拭く」役割を買って出ているのだ。初等中等教育でつまづいた若者にもう一度学び直す機会を与え、社会に貢献できる人材に育てるという機能を担おうとしているのだ。アカデミアのプライドを捨て、他の誰もが取ろうとしない社会的責任を取っているのだ。

何が悪い?真面目な話、大学でアルファベットを教えて何が悪い?アルファベットから教わらなければいけないような学生は全員そのまま社会に放り出して野垂れ死にさせようか?それとも理解できないことを知っていながら「大学らしい」授業をやって、何も身に付いていない学生に大卒の称号を与えようか?これまで存在していなかった社会的セーフティーネットが、ようやくいくつか成立しつつあることの何が悪い?

これは学力低下の話ではない。高校卒業時点で小学校で学んだことが覚束ない学生なんて、これまでだって腐るほどいたんだ。そういう層にももう一度学び直せる機会が与えられるようになってきたということに過ぎない。これはどう考えても社会の成熟であり、今後の日本には必ず必要になるシステムであり、その為のコストは老人の生涯学習なんかよりずっと大事なものじゃないのか?

ああもう。いろいろ頭に来すぎているのでここまで。